2017年10月25日水曜日

今更語るトルザイトの良し悪し

トルザイト.

もうすっかり釣り人には浸透したガイドリング素材だと思います.

トルザイトは2013年に富士工業が発表したSICに変わる次世代ガイドリング素材です.
SICリングが発売された1981年以来,SICと入れ替われる可能性があるリング素材は提供されてきませんでした.実に30年来の革新的リング・・・とも言われたトルザイト.

発売から4年が経った今こそその意味,真価が分かってきた頃かと思い,記事にしました.

さて,トルザイトですが,メーカーサイドが発表しているSICと比較したコマーシャルをいくつかご紹介しておきます.

1.曲げ強度二倍

トルザイトはSICと比較して2倍高い曲げ強度を誇ります.

2.1.5倍の靭性

トルザイトはSICとと比較して1.5倍の靭性を誇ります.

3.SICに比べて40%の軽量化

トルザイトは強くて粘いので,SICに比べてスリムリングに出来,その為重量は40%カットできました.

4.ラインに易しい

トルザイトリングは扁平にできており,ライン接触長さがSICの2倍,故に接触圧が半減,故にラインに易しいのです.さらに表面荒さはSICの0.05Raに比べて0.01Raと1/5の値になっているほど表面凹凸が少ない材料です.接触面積が小さく,接触角は鈍角になることから,ラインのちぢれもしにくいです.

5.ライン滑りが良い

ほぼ無負荷時のライン滑りはトルザイトはSICの4倍です.

6.熱伝導率はSICの約1/2なので,それほどよくありません
7.ビッカース硬さはSICの約63%とSICに比べると硬くないです

6.7はある意味でデメリットでもあります.

ということで,こんな感じでコマーシャルされているわけです.
何もかもをトルザイトがSICを凌駕しているわけではないです.

実際どうなの?

というところなのですが,実施ロッドに組み込んで使ってみると,以下のことが分かります.

1.糸鳴りが大きくなる.

トルザイトリング搭載のロッドはキコキコとリーディング時に糸鳴りがかなり大きくなります.
故にアジングやメバリング,トラウト,その他シーバスといった比較的繊細な釣りでこの糸鳴りが嫌いな人はトルザイトリング搭載のロッドは使わないほうがいいと思います.
トルザイトリングの出始めの時期,私も新しもの好きで飛びついて使ってみましたが,当時の私は音鳴り大嫌い派だったので,すぐに手放しました.

2.でも感度は良い

これはジギング特に深場でのジギングをトルザイトリング搭載ロッドを使ってやってみた感想なのですが,糸鳴りや,糸ノイズはかなり大きいものの,その分なのか?感度は格段にアップします.SICと比べると雲泥の差です.
表現が難しいのですが,その糸鳴りのノイズで感度を上げている.そんな感じがします.
糸鳴りはただのノイズで不要なものだと思っていたのですが,考えが変わりました.
トルザイトでしか感じられないことはあります.情報量は多ければいいのか?と言われると必ずしもそうではないので,適材適所が重要かと思います.

ということで,感度と糸鳴り,この相反するようなメリットとデメリットについて,自分の中でどれだけ取捨選択できるか?でどういうガイドを使えばいいのか?というのが見えてくると思います.

ちなみに,ちょっといいところどりなセッティングは一番負荷がかかるトップガイド,次いで負荷のかかるベリーガイドをSICにして,中間をトルザイトにすることにより,オールSICをよりは感度を上げて,オールトルザイトより糸鳴きを減らすというガイドセッティングもアリだと私は思います.
BEATなんかはトップSICを使って残りトルザイトなど,独自のガイドセッティングです.

人によって,何が良しで何が悪いかは変わると思いますから,要は特性をちゃんと理解して自分にあったガイドを選ぶ.これが大事なんだと思います.
たんに否定するだけ,肯定するだけなら誰にでもできますから.

よく考えてガイドセッティングを選びたいものです.

でわ.



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