2017年8月9日水曜日

スロージギング,太糸では食わない?細糸なら食う?何故?



”あの,スローピッチは,あの,当然細糸を使っていくわけなんですけど....”

これはジギング界の大御所,佐藤統洋さんのDVD「佐藤統洋のジギング2」の冒頭でおっしゃっている言葉です.
だいぶ昔のご発言なので,今もそう思っていらっしゃるかはわかりませんが,”スローピッチは細い” という「イメージ」は大半の人がまだお持ちだと思います.

それについての危惧を昔記事に書きました.

スロージギングの細いラインシステムに警鐘を鳴らす


ラインの太さについては各人のスタイルもあり,色々と難しい問題だと思います.

どのあたりが具体的に難しいのかというと,太い糸の場合,ジグの操作性も悪く,水流変化の読み取りも難しくなり,ライン抵抗が身体的負担になり,思うようにジグが動かせない,また,単純に太糸だと食わない.という話もあります.がメリットとしては魚が掛かればかけられる負荷のキャパシティが細糸より大きいということです.
一方で細糸はジグの操作性もよく,身体的な負担は軽く,魚の食いも良い.しかしデメリットとしてかけられるドラグ値のキャパシティが太糸より小さいということになります.

で,細い糸を使う人達と最近また対面することがあり,それは各々のスタイルだとして別に良いとは思うのですが,「掛けなければ始まらないから細糸を使う」という主張にはあまり個人的には賛同できないなと思ってます.それは再三言っているのですが,「掛けても捕れなければ意味はない」と思っているからです.

とはいえ,細糸だったら捕れないなどと思っているわけではなく,実際,PE2号や1.5号でも30kgぐらいの魚なら捕れるであろうシチュエーションには何回か出会っています.しかし,それとは反対に個人的にですが,10kg以上,14,5kgのドラグは入れたいな,そうじゃないと捕りにくいなと思うような場面もありました.
なので,状況や地形等に応じて掛ける負荷を決定し,自在にラインの号数を選択できるようになることが良いのだと思っています.

が,それはあくまで私の理想は「太い糸で掛ける能力」を身に着けていきたいと考えています.

というながーい前置きがあってタイトルに戻ってくるのですが,ジギングでラインの号数を落とせば魚は食ってくる.ということはもはやこれまで数々のジギンガーの経験から証明されている事実だと思います.そうやってもうすでに分かっていることをワザワザ自分がやる必要も無いのかなと思っています.

ジギングでいかにして太糸で食わせるのか?この答えはまだまだ未知に満ちていると思います.

では何故ラインの号数を落とせば食ってくるのか?
という話になります.

※ラインの号数を落とせば食いやすくなることはなにもジギングの話だけではなく,エサ釣りやキャスティングルアー釣りにも共通して言えることだと思います.

何故なのか?
この議論はあまりなされないように思います.

Twitterで意見を募集したところ,色々と意見を頂きました.

・ルアー・ジグの動きが悪くなるから
・ラインが太いほうが水流変化が大きく,それが違和感となる
・音鳴りの差
・ラインの存在感

概ね,一般的に言われていることを出していただけたかなと思っています.
個人的にはどれも正解だと思います.

だったら太糸のディスアドバンテージを打ち消すぐらいに魅力的なジグの動きが演出できれば,魚は食ってくるんじゃないかなぁ?というのが個人的な仮設です.

実際,ジギングでは全く食ってこないけど,泳がせ釣りなら釣れる!みたいな状況ってあります.で,一般的に泳がせ釣りはジギングよりはるかに太いラインシステムを使います

ということは?ジギングでも誘いのテクニック,ジグの選択,を磨き,ジグ本来の性能が高ければ泳がせ釣りと同じぐらいの号数でも魚は食ってくるんだろうと思っています.

太いから絶対に食わないというわけではないということです.

如何に太糸で食わせるか?
これを実現するためには一般的に,ちょっと重すぎると思われるレベルのジグを浅い水深で使っていくことが重要だと今のところ思っています.
重いジグを使うことによって,ジグの運動量が大きくなるので,そのジグの動きはラインの影響を受けにくくなり,ラインを太くすることでジグ本来の動きが出せないという課題もクリアすると思っています.

具体的に書けば,水深の4倍〜6倍ぐらいのジグの重さを使っていく感じになります.
実際,最近は二枚潮も多いこともあり,こういう一般的には重すぎると思われるセッティングで魚がかかってきいます.100mで500gとか600gとかそういう世界のジギングです.
10kg,20kg,30kgあるいはそれ以上とった大きさの魚を狙っていますから,そういう魚にとっては1kgぐらいまでのジグは大した大きさではないと思っています.
泳がせではそれより遥かに大きな30cm以上あるムロアジやイカをエサにすることもあるからです.

あくまでこれは仮説であり,まだまだ実験的検証結果は少ないですが,少なくとも糸が太いせいで他に乗船している細い糸の人より魚が掛からないということは感じていません.あくまで大型の魚,カンパチ・マハタ・ハタ類を狙ってる時の話ですが.

実際,この前のクエ25kgでもPE4号で掛けることが出来ましたジグは600gです.水深あは100m前後.先日の室戸沖では周りの方よりラインは私が太かったと思いますが,雑魚が掛かる頻度はそれほど差がなかったように思います.使ってたジグは700g〜850gです.それでもジグと同じ大きさや少し大きいぐらいのアカイサキなど掛かってきます.

細い糸で釣るのはもっと年を取ってから体力的にキツくなってきてからやろうかなと思っています.そうするとずーっとジギングを楽しんでいけるのかなぁと思ってます.まだまだ糸を細くすること以上にあることがあると思ってます.

今日はそんな感じの話を書いてみました.

※ただし,掛けたいドラグ値以上に無駄に強い太い糸を使う必要も無いと思ってますよ.

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2 件のコメント:

  1. いつも楽しく拝見させていただいております。
    私も、ラインについては試行錯誤した時期がありましたが、今はカヤックに限っては、PE2.5号に落ち着いています。この種のイシューは、恐らく狙う海域や魚種、カヤックか遊漁船かで大きく異なるので一概にこれがいいという答えにならないと考えています。
    カヤックのジギングで、PE2号で200kgのサメや30kgのGTをあげるのは簡単ですが、遊漁船の場合、ブリ10kgではあわせ切れしてしまいます。今は、ラインの号数にこだわるのでなく、ロッド、ライン、フックの組み合わせでタックルバランスを調整しています。それと、ちょい太の2.5号にしてるのは、耐久性が大きいです、1.5号では数回の釣行で毛羽立ち、交換が必要ですので。一方、IGFAの会員なので、大会ではポイントを獲りに行くためには、細糸に巻きなおしてしまいますね(笑)。

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    1. この記事ではライン選択というよりは本来,太い糸では何故魚は食いにくくなるのか?ということを考えたかったのですが,なかなか考えがまとまりませんでした.
      おっしゃる通り,魚種依存性はかなり大きいと思います.
      基本的に根に行かない魚はいくらラインが細くても捕れると思います.マグロなんかも400kgとかそういうレベルの魚は分かりませんが,50kgぐらいまでなら走らせて捕れると思います.
      GTは釣ったこと無いのでどんな感じは分かりませんが,少しは根に行ったりスリット沿いに走ったりするんじゃないかな?と思うのですが,それを簡単というのはかなりレベルの高い方だとお見受けします.
      逆にブリの10kg程度で2号があわせ切れするというシチュエーションがよく分からないです.自分のタックルの場合,PE2号だとドラグは7kg〜8kgのセッティングでもあわせ切れするということはまず無いです.水深やロッド,リールなどに問題があるように思ってしまいます.もちろん,ライン劣化やシステムの不備などがあれば別ですが,ドラグが短時間での力変化についてこれるリールを使っていれば理論上アリエナイと思います.(私の頭ではですが・・・.
      いろんな記事で言ってるんですが,私の場合,掛けたいドラグ値でライン号数は決まるんだろうなぁと思ってます.
      もちろん掛けたいドラグ値は想定している魚や魚種,ポイントの地形,ファイト時間によって決定されるものだと思っています.
      ラインの号数だけ見ててもしょうがないんですが,魚を捕るために掛けなければいけない負荷(ドラグ値)については見誤っている人は多いのかなと思います.
      私はカヤックだとPE2号に今のところ落ち着いています.2.5号を使っていた時期もあるのですが,根掛かりしたときにかなり頑張っても切ることが出来ませんでした.PE2.5号の場合,私のシステムだと最低で13kg〜14kgほど強度が出るので,私のカヤックでこれを切るのは至難の業です.PE2号で切るのがギリギリかなと思ってます.1.7号に落とそうかと思ってるぐらいです.耐久性については劣化が確認される前に詰めていけばいいかなと今のところは思ってます.
      一旦落ち着いても,またいろんなことがあると考え出す,そんな課題のようにも思います.まぁでも最終的に,ちゃんと考えてだした答えであれば,各々のスタイルでいいと思ってます!

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