2018年4月27日金曜日

ドラグの味付けを少しだけ真面目に語りますPart.1

ドラグの味付けについて,書いてみたいと思います.
一気に書くと長そうだったので,とりあえずPart1ということで,ドラグの味付けの本質を語る手前までの話になります.

ドラグ性能とはまた違った意味合いの言葉ですが,ニアリーイコール(ほぼ同じ意味)と考えて問題ないかと思います.

ドラグというのはある一定負荷がかかった場合に糸を放出する機構といえますが,その詳細を話そうと思うと,ちょっとだけ頭を使います.

本当はもっと詳細に書くべきかと思いますが,できるだけ,敢えて,小難しい表現は避けて分かりやすさを重視したいと思います.

ドラグが出るためには,魚が泳いで糸を引っ張って,ラインに力が加わるというプロセスが必要になります.

なので,ドラグを滑らせる「力」と「時間」に注目したいと思います.

ここで物事を単純化するために,以下の仮定をしてみます.

1.ドラグ力が無限大の絶対に逆回転しないリールを使用する.
2.魚はどんな負荷でも常に一定のスピードで泳ぎ続ける.
3.ラインは伸び縮みをするものとし,ライン伸びと力の関係は線型とする.

すると,魚が一定のスピードで泳ぐことから,時間と距離が比例するので,横軸を時間,縦軸を力として,以下のようなグラフが書けます.

※あくまで仮定の上での話です.

以上のような仮定の場合は,魚はどんどん泳ぐにつれて糸が伸びていき,加わる力も大きくなっていきます.そして,フックの強度がラインの強度を上回っていることを前提にすれば,ライン(システム)の限界強度に達したときに切れます.ラインブレイクするということになります.

一般的な縦軸のスケールとしては数キロ〜数十キロ,横軸のスケールとしては1秒未満の出来事になるかと思います.

ここで,1つ前提を変え,ドラグを導入します.
よって,以下のことを仮定します.

1.引っ張られる力がある大きさになれば,ドラグが作動し,一定の力でラインが放出される.
2.魚は負荷の大きさにかかわらず,常に一定のスピードで泳ぎ続ける.
3.ラインは伸び縮みをするものとし,ライン伸びと力の関係は線型とする.

そうすると,時間に対する,力の変化は次のようなグラフになります.


こんな感じ,ある一定の力でドラグが滑って,一定の力でラインが放出されるので,上記の仮定であれば,ドラグが作動すれば,それ以上の力は加わらないということになります.

ということで,このドラグ値をシステム強度以下に設定すれば,理論上,ラインが根に擦れたり,歯の鋭い魚でリーダーを歯で噛みちぎられたりしない限りはラインブレイクは起こらない.ということになります.

ドラグはラインが切れることを防ぐために作動する安全装置ということです.

これが,ドラグの基本的な考え方になります.

しかし,ここまではあくまでいくらか仮定を置いた話しをしています.
実際のドラグはどういうことになっているのでしょうか?

色々難しい話になってきます.
例えば,PEラインは原糸を撚って作ってあるので,厳密に言えば伸びと力の関係は非線形になりますし,魚も負荷によって,一定速度で泳ぐわけではありません.
またドラグについても一定の力で放出されるということはなく,一度ドラグが動作し始めると,静的状態から動的状態に変わるので,摩擦係数も変わってきます.ドラグの動作速度次第では応力緩和により,負荷がドロップすることもあるでしょう.一方で,滑り出しよりも動作中のほうがドラグ値が高くなることもあります.ほかにも色々あります.

色々なことを物理的に考えた上で,じゃあドラグの味付けってどういうことなの?私が考えるよいドラグとは?

って話ですが,それはまた次回にでも・・・.

できるだけ5月中には更新します.
お楽しみに.

色々実験やらないといけないので,手間がかかります・・・・.

でわまた.

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