2018年4月4日水曜日

鹿児島のカンパチジギング事情(オフショア)

カンパチ


スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属に分類される魚です.
ブリ属には他に「ブリ」「ヒラマサ」そして,あまりカンパチと区別されませんが「ヒレナガカンパチ」が居て,ブリ,ヒラマサ,カンパチはブリ3属.「御三家」などと一部のアングラーから呼ばれています.

で,その中でも最強最大となるのがカンパチです.
※ヒラマサのワールド記録が96.8kgの記録があるとの話がありますが,私が色々調べる限りにおいて,この記録は確認することが出来ませんでした.
※ちなみにカンパチは非公式ならば100kgまでは噂程度に聞いたことがあります.釣り上がった写真を実際に見たのは73kgほどまでです.

カンパチの生息域はほぼ全世界の「温暖な海」となっていまして,地中海などでも人気のターゲットのようです.

日本では,一応北海道以外に生息.
となってはいますが,やはり南に行くほど魚影は濃いように思います.

今日は私が現在住んでいる鹿児島県における昨今のカンパチジギング事情について,書いてみたいと思います.

※カンパチのみに絞って書いていきます.他の魚種を言いはじめるとキリがないので.

遠征に来られる方や鹿児島およびその隣県に住んでいる方でカンパチをやりたいと思っている方などの一助になれば幸いです.

しかし・・・鹿児島県は長崎県についで島の数が全国2位.

南北の距離が600kmと莫大な大きさの水域を有しているため,私もそのすべてを把握しきれているわけではありません.

なので,いくつかのエリアに分け,私が行ったことある海域をメインに紹介してみたいと思います.

大まかに鹿児島でのジギングはその特徴から以下のエリアに区分することが出来ると思います.これは遊漁船の数や航行区域,その地域でカンパチが釣れる時期やサイズ,水深などを勘案して私が勝手に分けたものなので,かならずこうやって分けなければいけないということでもありません.隣接しているところはそれなりにクロスオーバーがあります.

タックルというよりジグの推奨重さについても私のスタイルを基にした私なりの意見を少しだけ書きます.
あくまで私なりの話であって,何が正解かは分かりません.
けど,間違いなく言えることは,「重いジグまで持っていたほうがいろんな状況に対応できる」ということです.重いジグがなかったら絶対に釣れないとかそんなことは無いです.


1.錦江湾
2.佐多岬,硫黄島,竹島
3.長島海峡〜甑海峡
4.宇治群島,鷹島,津倉瀬
5.黒島,
6.草垣群島
7.種子島
8.屋久島,口永良部島
9.トカラ列島海域
10.奄美群島海域
11.大隅半島太平洋側地域(志布志など
12.薩摩半島坊津〜野間池地域

※この中で7.種子島と10.奄美群島海域,11.大隅半島太平洋側地域はまだ行ったことがないので,詳細は述べることが出来ません.

1.錦江湾

これは鹿児島湾と言われる地域で,地図を見てもらえばわかるとおり,2つの半島に挟まれた湾になってます.ほぼ時化知らずで年中出船率が高いエリアです.
しかし,カンパチの数は少ないように思います.年中ある一定数の個体が居るようには思いますが,それほど魚影が濃いわけでもなく,秋や春先に黒潮が寄ったタイミングでネリゴ(〜1kg,2kg)の群れが入ってくることがある程度だと思います.
とはいえ,湾内でも8kgぐらいまでは聞いたことがあるので,ナメて掛かってたらブチ切られます.
かといって湾内で極端に太仕掛けを入れるようなメンタルがある人はあんまり居ないかもしれません.

場所にもよりますが,それほど流れもきつくなく,ポイントなる水深も20m〜100mぐらいなので,ビギナーの方に楽しめる海域かと思います.
10kgオーバーが釣れることはまずありえない地域ですので,大物を釣りたい方は他の地域へ.
私がカヤックでやっているようなポイントであれば,ジグは100g〜200gまで用意で事足りると思います.重くて300gかなぁと.

カンパチに固執しないのであれば,オフショアの入り口としてはよい地域かとおもいます.
遊漁船の数も多いし,半日だけの釣りも多いし,乗船料もリーズナブル.

半日5000円〜6000円ぐらい.

2.佐多岬,硫黄島,竹島

まず,佐多岬.
佐多岬へ出船する遊漁船は非常に多いです.
料金は1万円〜1万3千円ぐらいが相場です.

湾内と違って,黒潮によって複雑な潮が入ったり,錦江湾からの上げ下げの潮の影響を受けます.
大型のカンパチシーズンは春前〜春〜初夏の黒潮が寄ったタイミング産卵シーズンかと思います.
小型は潮さえ入れば,年中居る海域です.
黒潮の影響を受けるので,季節によって釣果が大きく変動するというより,黒潮によって釣果が大きく変動する気がします.

潮がないときは0ノットぐらいですが,速いときで3ノット,4ノット,5ノット近いぐらいまでは潮が行く場合もあります.
アベレージでは1ノット程度だと思います.
ポイントの水深は40m〜160mぐらいまで,アベレージで100m〜120mぐらいが多いと思います.一番深くても200mぐらいまでになります.

複雑な潮が絡み,潮も速いことが多いので,そこそこ熟練度が必要な地域になりますが,ここで釣りができるようになれば,いろんな場所で通用するようになると思います.
個人的には佐多海域が一番攻略の難しい海域だと思っています.
いい日に当たれば簡単ですが,いい日と良くない日の落差が他の地域より激しい気がします.

続いて,硫黄島〜竹島ですが,日帰りで比較的手軽に行ける遠征ポイントです.
料金は1万4千〜2万円ぐらいが相場.

かなり複雑な地形があります.
潮はそれほど速くない時のほうが多いです.〜1ノット.
ただし,ここもまた黒潮の影響で場合によっては2ノットぐらいまでは出る時があります.
私の経験では3ノットまで経験してますので,侮れません.

カンパチポイントの水深としては40m〜200mぐらいまで.
シーズンは佐多岬とあまり変わらないぐらいだと思いますが,多少時期が早い程度かと思います.
ここ近年なぜか不調が続いている海域です.とにかく潮が悪い日が多いです・・・.

水深があるポイントがあるので,夏場でも場所によっては大型の期待度が高い場所があります.
カンパチは回遊魚なので,入れ替わりは激しく,釣れない潮ももちろんありますが,硫黄島〜竹島も基本的に小さいカンパチは年中居ます.

佐多,硫黄島,竹島は50kgぐらいまでのカンパチなら居る海域なので,一発来たときのために万全な準備でいくのが良いと個人的には思います.
そうそうデカイ魚なんかかかりませんが,かかったときに獲れなかったら悔しいですよね.

ジグの重さについて,ジグは最低でも〜450g,個人的にオススメは〜600gぐらいまでは用意して行くべき海域と思ってます.個人的にはですが,大物を獲りたい方PEは最低でも2.5号を推奨します.ラインの太さは人それぞれですが.私は3号〜4号をメインで使用しています.
もちろん,潮が素直だったり,緩いときは300g,250g程度でも十分釣りは成立します.


3.長島海峡〜甑海峡

私はこの地域,カンパチに関しては水深がさほどなく,秋のネリゴ(1kg,2kg,MAX3kgぐらいまで)の数釣りをする地域だと思ってます.
ちょうど夏はアカイカ(ケンサキイカ)の夜焚きにわく地域です.そのアカイカが終わって, 9月ぐらいから小さなカンパチが釣れ始めます.
料金は1万円前後が多いように思います.

いつまで釣れるかは水温次第ですが,12月まで釣れることもよくあります.年によっては1月,2月でもネリゴが釣れます.
ネリゴの魚影は比較的濃い地域なので,カンパチのジギングをまず始めたいという人は秋にここの地域でネリゴを専門に出ている遊漁船があるので,そういう遊漁船から始めるのをおすすめしたいです.
水深は20m〜70m程度と比較的浅く,体力的な負担も少ないです.
ジグも100g〜200gで対応できることが殆どで,それ以上は趣味の範囲で入れてOKかとおもいます.ネリゴ釣りならMAX300gまで持っていたら万が一の事態にも対応できるぐらい本当に十分だと思います.とはいえ,私はネリゴジギングで300gを落としたことはありません.
この海域では私が聞いたことある最大で6kg程度なので,ちゃんとシステムが組める人なら1.5号〜2号ぐらいのライトタックルで遊ぶのもよいかもしれません.
システムの勉強にもなりますし.

ちゃんとネリゴジギングの基礎が分かっている船に乗って,秋のいい潮に当たれば1人10匹以上釣れると思うので,ジギング初心者にとっても入りやすい地域だと思います.

ネリゴ専門で出ている船があり,そういう船に乗らないと数は伸びないかもしれません.マダイやハタ類なども居る地域なので,五目釣りになるとネリゴは数が伸びません.
ネリゴは狙って釣らなければ交通事故しかありません.決まったポイントにしか基本的には居ません.

ここで覚えることはすべてのジギングの基礎になると思います.

4.宇治群島,鷹島,津倉瀬


ここはこの3つの島で構成されている浅場のような感じになっている場所です.
デカイカンパチのシーズンは他の地域より少し遅れ目で梅雨入りぐらいから始まって,10月いっぱいぐらいまではデカイやつが居ます.シーズンが早い時は4月の下旬ぐらいからデカイ奴がウロウロしてます.この地域にデカイカンパチが入るかどうかは黒潮や対馬海流の源流次第だと思っています.まだまだ謎が多い海域です.
デカイ奴が入ってきて,どれぐらいまで居るかについて,宇治は少し遅れて11月上旬,中旬ぐらいまではなんとかデカイのが残っていることがあります,12月に入ると結構厳しい事が増えてくると思います.
黒潮の影響もあり,いつ入ってくるか,いつ抜けるかは年々で違うため,デカイ奴がいるシーズンの予測は難しいです.

料金は1万6千〜2万円ぐらいだと思います.

デカイ奴以外については宇治はたぶん年中居る海域だと思いますが,鷹島,津倉は潮の入り方によっては全く釣れない時期もあります.

私の経験では潮は遅いことが多く,経験したMAXでも2ノット.
アベレージでは1ノット前後,潮が行かないときで0.2ノット,0.3ノットは当たり前という感じがします.

カンパチをやる水深は70m〜200mぐらいまで.
100m前後のポイントが多いように思います.

潮が早くないことが多いことから,それほど重いジグは要らないと思いきや,変な2枚潮が入ったりもするので,佐多岬と同じく,できれば〜450g,個人的推奨は〜600gまでは用意していたほうがどんな状況にも対応できると思います.

ただ,この海域,全然開拓が進んでおらず,デカイカンパチが釣れるポイントと,ネリゴがいっぱい釣れるポイントがあまりかぶっていないため,船によっては〜100mまでの数釣り,船によっては〜200mの大物狙い.など遊漁船によって色が別れる地域でもあります.

〜100mの数釣りもちょっと近海を脱出して,近海よりはアベレージがよく,10kgぐらいまでが狙えるので,腕を磨くのには非常に良いと思います.
たぶん,初心者の人が150mとかで20kg,30kgとやりあうのは難しいんじゃないかなぁと思います.でもやってみなきゃわからないのも釣りですから,どういう釣りに挑戦したいか?で船を選ぶと良いかもしれません.

5.黒島

ここで黒島です.
三島に分類される島ですが,なぜこの島だけ分けたのか?
ここは黒潮が当たりやすい島だからです.
硫黄島,竹島は全く潮がないけど,黒島だけは潮があるという状況はよくあります.
平均して1ノットぐらいの釣りやすい潮が多いですが,夏などのぶっ飛び潮シーズンは2ノット,3ノットで二枚潮ということもあるので,注意が必要です.
カンパチポイントの水深は70m〜140mぐらいが多いですが,200m前後を現在開拓中です.

また,黒島になると,行く遊漁船が少ないです.
ジギングで行くのは私が知ってる限りでは今は3隻のみ・・・.
このうち2隻はほとんど黒島へは行きません.つまり,まともに黒島へ行く船は1隻のみ
開拓の進行具合も,他に比べてかなり遅い地域だと思います.

まだまだ,情報も少ないですが,大型のシーズンだけは他の三島とあまりかわらず,4月中下旬〜5月ぐらいから始まって,梅雨入りぐらいまでだと思います.梅雨明け〜初夏でもポイントを開拓すればデカイのがいる確率は非常に高いです.

カンパチは居ないかもしれませんが,島の周りは250mとか300m前後に面白い瀬があり,そういうところではまた新しい魚が釣れると期待しています.

個人的に一番注目しているお比較的お手軽な金額出いける近海離島です.
料金は遊漁船によっても違いますが,1.6万〜2万ぐらいが相場だと思います.

ちゃんと開拓が勧めばトカラにも負けない海域だと思います.

最低でも〜450g,個人的推奨は〜600gまでは用意していたほうがどんな状況にも対応できると思います.私はここに行くなら何があっても出来るようにジグは1kgまでは持っていってます.1kg入れたことはないですけど(笑.


6.草垣群島

古くから,黒潮の当たる島として有名な草垣です.
ここも行く船がほとんど居ません.私が知る限りでジギングで行くのは3隻のみ.
年中通してコンスタントに行く船は居ません.

デカイカンパチのシーズンは読みにくいです.
黒潮が活発になり,またカンパチも産卵を意識しだすので,3月ぐらいから群れが入ることがあると思います.あくまでカンパチは回遊魚なので,昨日釣れたから今日も釣れるという魚では無いと思います.
回遊次第では年中チャンスが有る島とも言えると思います.私が行った夏の枯れ枯れの時期の調査でもカンパチ14kgが出ましたし,たぶん魚は入れ代わり立ち代わり居ると思います.

黒潮が入ってる場合は潮は1ノット〜2ノットの事が多いです.
ただ,稀に潮がない場合もあるらしく,0ノット近いときも・・・・.
ここもおそらく夏になれば二枚潮のキツイ潮が入るので油断は大敵です.
私が夏に行ったときはそうでもなかったですが.

深い場所はほとんど未開拓の地域です.
水深は40m〜200mぐらいを考えていたほうが良いと思います.
よく釣れるのは〜100mぐらいまでだと思いますが,深場は深場でたぶん浪漫があります.

ジグは最低でも〜450g,個人的推奨は〜600gまでは用意していたほうがどんな状況にも対応できると思います.私はここでも,行くなら何があっても出来るように1kgまでは持っていってます.800gまでは落としたことあります.

7.種子島

まだ行ったことがないです.
※種子島南部海域は一応1回行ったことはあります.
太平洋側のポイントにいつか行ってみたいなと思ってます.
種子島の船もありますし,鹿児島の大隅のほうから出ている遊漁船もあるようです.
ジグは1kgぐらいまで持っていけばどうにでもなるかなと.

8.屋久島,口永良部島

屋久島,口永良部は黒潮の影響をモロに受るため,時期が読みにくいです.
セオリーで言えば,流れ藻が無くなる4月下旬〜梅雨明けまでが良いとは思いますが,カンパチが居なくなるということは無い海域だけにデカイの一発・・・で考えると年中チャンスは有るように思います.

屋久島海域は屋久島と種子島の間の海峡はそれほど水深が無く,〜100m前後で数釣りが楽しめます.南部や西部に行くと,200mとか深いポイントがあります.

北部はサガリ曽根などの曽根があり,ここは本土からの遊漁船も行っています.

屋久島近海はかなりバリエーションに富んだ地形,潮流,遊漁船が居るので,屋久島に釣行する!というよりは,どの遊漁船に乗るか?が非常に重要なポイントかもしれません.

極悪潮の場合は〜3ノット,4ノットで二枚潮,三枚潮のこともありますから,遊漁船によっては〜500gぐらいまでは最低常備しておかないと勝負にならないこともあるとおもいます.私は〜1kgまでは持っていくようにしています.
 

9.トカラ列島海域

常に黒潮の影響を受けて,多数の島,曽根が点在する海域です.
デカイ魚は常に居ます.

奄美大島のほうからの遊漁船も居ますし,本土からの遊漁船も居れば,種子島,屋久島からの遊漁船も居ます.もちろん,トカラ列島の島にも遊漁船はあります.

こうやって考えると,吐噶喇列島は秘境!とか言われておきながら,こんなに叩かれてる海域も珍しいです.つまり,トカラは甘くない!と私は思っています.

ただ,魚のストック量はやはり他の地域に比べるとまだまだあるのかなというところです.それでも昔に比べると全然釣れないという話は聞きます.あまり昔を知らないので,比べようがないのですが.

また,実際はトカラの中でも叩かれまくってる海域と,そうでない海域に別れるので,一括りにトカラとは出来ないところです.

多種多少の遊漁船があり,地形もバリエーションに富みます.
カンパチのジギングで言えば,40m〜300mぐらいが範囲になってきます.
 
潮流も複雑なことが多く,私の場合ですが,500g未満のジグを落とさないことはザラにあります.500g,600g,〜1kgぐらいまでの使用が個人的には合っています.
もちろん,そんなに重いジグじゃなくても釣れるとは思いますが,このあたりはスタイルなのでなんとも言えません.

トカラは行く遊漁船によって見せる顔が全然違うので,色々な遊漁船で行ってみたいと思っているところです.

10.奄美群島海域

 まだ行ったことがないです.なのでここでは割愛します.

11.大隅半島太平洋側地域(志布志など

個人的な読みではちゃんとやればちゃんとカンパチが釣れる地域だと思っていますが,まだ釣行したことがありません.デカイカンパチも絶対居ます.

12.薩摩半島坊津〜野間池地域

個人的な読みではちゃんとやればちゃんとカンパチが釣れる地域だと思っていますが,まだ全然釣行回数少なく,ほとんど経験がないので分かりません.
ここでちゃんとやっているジギング船も知らない海域です.
デカイカンパチは入る地域だと思います.

ということで,簡単ですが, 鹿児島のカンパチジギング事情について個人的な意見を書いてみました.間違っているところもあると思うので,あくまで現時点での私の私見だと思って下さい.

でわ.

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