2018年2月2日金曜日

アカムツに関する文献を幾つか紹介.水温,分布,色々

どうもです.

今週は週初めにカヤックでのアカムツ釣行記を更新したことからアカムツ週間とします.

今日はアカムツに関する文献で,面白いなと思ったものをいくつか紹介したいと思います.
鹿児島県のものに限らないので,必ず鹿児島に当てはまるか?を言われるとそうではないかもしれませんが,あくまで一情報としてご覧いただければ幸いです.

まず.

アカムツの生息場水温と分布移動

https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/211463.pdf

これは福島水産試験場の報告になります.
まず福島沖でもアカムツは漁獲されるんですねー.
こちらからは遠いので,全く認識してませんでした.
上は青森までは釣れるということは知っているので,青森までならどこにでも居るんだろうなと思います.
で,この文献では,生息場の水温について考察がなされていました.
ちなみにトロールでの調査です.
塩屋崎沖の175m前後で結構漁獲があるようです.
そして,アカムツの生息場の水温は6℃〜16℃.特に12℃前後に多い.
と報告されています.
鹿児島近海なら200mでようやく15℃ぐらい.400mでも9℃〜10℃ですから,いろんな水深に居そうですね.


東支那海大陸棚斜面域のアカムツ

http://kagoshima.suigi.jp/ushio/book/h05/257.pdf

これは鹿児島県の報告です.
鹿児島県が東シナ海大陸棚において延縄で調査をしていたのはこの前のブログにも書いたところですが,この報告では以下の興味深い記述があります.
"中原(1969)によると,アカムツの生殖は雄が3才,雌は4才から参加し,産卵期は7~9月で盛期は8月である。また,捕食率は42%で,一般的に比較的移動力のある魚類や大型甲殻類を多く食している。"
”生殖腺指数の変化をみると,7月は小さく,(8月は欠測),9月上旬が最も高く,10月中旬まで高い状態が続き,11月には小さいので,9~1O月が産卵期であろう。”

”胃内容は空胃が多く,72%を占め,胃反転(胃袋が口から飛び出したもの)11%で捕食率は17%であった。捕食の内容はエビやアミ等の甲殻類が8%,魚類が5%,餌3%,イカ1%の順であった。”
あくまで東シナ海の斜面部での話しですが,産卵期と,捕食物の内容が書かれてあります.
ちなみ,ご存じの方も多いと思いますが,アカムツはオスが小さく,メスがデカイです.そのことも書いてあります.
また,よく採れた水深は250m〜300mとのこと.そして,薩南海域より東シナ海海域のほうがデカイ魚がいるということも書いてあります.あくまで調査なので,薩南海域で大きいのが溜まってるところもあるんじゃないかなと私は予想しています.


新潟県沿岸域におけるアカムツの年齢と成長及び産卵期

http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010811622.pdf

新潟県の例になります.
アカムツの年齢と成長曲線について書いてあります.
8770匹を調べた結果です.
この報告によると,新潟県沿岸部でアカムツの産卵期は9月.

成長曲線を基にして推定した年齢とアカムツの大きさの関係は図の通り.


標本の最大が47cmだったことから,これぐらいの年齢までしかないですが,成長は比較的ゆっくりだけど,カサゴほど遅い魚ではないということが分かります.

アカムツがキロアップになるには最低でも5年,アベレージで8年〜9年ぐらいはかかるのかなぁと思ってます.

鹿児島でキロアップなんかめったに釣れないですが,居るには居るという話を聞いているので,いつか釣ってみたいですね.
ちょっとだけ場所が違うんじゃないかと思ってます.

今日はこのへんで.

でわ.

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