2017年5月31日水曜日

捕食スイッチ?水押しを意識したジャークの有効性


画像はジャーク中のロッドの曲がりです.魚がかかっているわけではありません.

みなさんは”水押し”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

ジギング界ではあまり馴染みのない言葉のように思います.
主にバスの世界や一部の海のルアー釣りで使われる言葉です.

簡単に言えばルアーが水を押す力,あるいは水がルアーから受ける力のことです.
周りの水が流れていない場合,水押しが強いというのは端的に言えば引き抵抗が重いということで,水押しが弱いと言えば逆に引き抵抗が軽いということと対応します.
強い力で押せば押すほど水はよく動きます,つまり波動を出します.

魚という生物は,側線という耳でも目でもない第三の感覚器官を持っています.
これによって水流や水圧を感知します.
側線器官についてウンチクを述べ始めると止まらないのでここではやめておきます.

魚はほとんど光が届かないような深い場所にも居ます.
私がよく狙っているカンパチも200mを超える深さでも釣れます.
200mの深さでは殆ど光は届きません.が,やつらはジグに食いついてきます.
エサを探す役割として側線が大きな役割をしていると言われています.

また,夜行性の魚というものも数多く居ます.
ハタ類の多くは夜行性ですし,シーバスも夜行性だと言われています.
夜は非常に明かりが少ないです.そうした中でもエサをとって食べていますし,ルアーにも食いついてきます.この場合も側線が大きな役割を果たしています.

ということは?

ルアーの出す波動も当然ながらやつらに感知されている.

と考えるのが自然かと思います.

時と場合はあると思いますが,ルアーが出す波動によって魚が食いつくか食いつかないか決めている.そんなときもあると思います.いつもそうではないと思いますが・・・.

それを実体験として感じるのはジギングで同じジグを長いこと使っていると,釣れそうなときと釣れなさそうな時というのが大体わかってきます.
ジグとラインを通じてアングラーは潮流の変化や強さを見ます.
潮が流れていると引き抵抗が重くなる(事が多い)ので,いい塩梅の引き抵抗の時によく魚がヒットします.これは潮が流れていて魚の食いがたっている.そう解釈するのが一般的です.
逆に潮が流れていないとスカスカとした軽い引き抵抗に成ります.そういうときは大体魚も口を使ってくれません.

これは体感でしかないので全く科学的なデータではありません.なので,「ふーん」程度に思ってください.でも,試してみてもらえると嬉しいです.

で,潮が流れていなくて,なかなか口を使わない.こういう時に口を使わせる方法の一つがタイトルにある水押しを意識したジャーク.になります.
この水押しを意識したジャークは簡単です.
簡単ですが,難しいです.何が難しいかというと,釣れる時のジグの引き抵抗を体に覚えさせておく必要があるからです.

具体的にどういうことをするのかというと,「強くしゃくる」あるいは「速くしゃくる」それだけです.
お風呂を手でゆっくりかきまわしても全く抵抗は感じませんが,速くかき回せばそれなりに抵抗は感じるでしょうし,風呂の水も大きく動くと思います.
それと同じことです.「強いジャーク」「速いジャーク」をすることでアングラー側が感じる抵抗は大きくなります.それと同時に水中ではジグが大きな波動を出していると思います.この波動がターゲットの側線にアピールしてくれているはずです・・・.
この時重要なのは,いつも釣れている時と同じぐらいの抵抗感になるようにジャークをすることです.これが一番難しいポイントかと思います.でも,それが分かるぐらいあるジグにこだわって使ってみるのも面白いと思います.

一回一回のジャークをものすごく強くして,その間は長くとってもOKですし,一回一回フォールを入れるのもOKです.また,フォールを入れないようなリズミカルなジャークだけど一回一回は強い.そういうジャーク,あるいは超高速ジャークなど,1ジャークあたりの水押し抵抗感を意識したジャーク.それが私の言いたい水押しを意識したジャークです.

実際,このようなジャークが有効な場面は何度も経験しました.

それがすべてたまたまだとは思えないぐらいの確率ではあると思っていますが,なんとも言い切れません.
潮が動いていないけど,船中一人だけヒットということもそう珍しくはありません(カンパチの場合ですが・・・).

こういうジャークをするにはある程度ハリがあってパワージャークに負けない竿が必要になってきます.スロージギング用の細身のロッドで出来ないとは言いませんが,限界がアリます. なので,タックルセレクトも重要です.
強いジャークに向かないジグもありますし,いくらジグを動かせていても,食わせの間がなければ食わない時も多々あります.

まだ確信するにはデータも理論も足りませんが,分かる人には分かって欲しい,試してみてくれる人が出てくるといいなと思って書いてみました.まだ検証段階です.
それが正解だと言える証明は一生難しいかもしれません.色々となことを考えながら魚に口を使わせる手段を見出していくこれが私なりの釣りの楽しみ方です.


船中なんにも釣れなくて,魚のやる気が明らかに無い.そんな状況を打開する手段の一つと思っていただけれな幸いです. 

また,これだけ(ジャークだけ)が釣れない時に有効であるとは思っていません.

※繰り返しになりますが,私があくまで有効だと考えているのはたるい潮です.素直な潮の時です.
 強烈な二枚潮,三枚潮ではアングラー側の上げでのアクションでジグをコントロールすることが極端に難しくなりますから,そういう場合はフォールのアプローチも重要だと思います.というか常にフォールのアプローチは重要です.

ジャークに絞って書きましたが,水押しが強いジグ,弱いジグというのも存在しますので,水押しの強いジグに変えてみるなんていうことももちろんアリだとは思います.その他水押し以外にも食わない状況を打開するテクニックは色々あると思っています.
◯◯ジギングみたいにジギングというカテゴリーの中で枠をはめてしまうような釣りが多い昨今ですが,自由な発想で自然を読み,最適なタックル,釣り方をチョイスできるようなアングラーになりたいです.


でわ.




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2 件のコメント:

  1. 共感できます。
    釣れる潮だったら何しても釣れますしね。
    釣れない潮は、ジグの引き心地には中々近づきません。
    各メーカーさんも、もう少しマニアックな課題に対応出来るロッド作りをやって欲しいです。

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    返信
    1. どうもです!
      釣れる時の潮噛み,同じ海域に何度も足を運んで,同じジグを使い倒してやっと得られるものかと思っています.その引き心地たまらんですよね.
      ジギングロッドと真剣に向き合うメーカーが少なくなってきているのかなとも思います.おっしゃる通り,もっといろんなバリエーションのロッドが出来るはずなのですが・・・.とはいえ私も全メーカーのロッドを使ったことはないので,自分が知らないイイロッドが埋もれているのかもしれません・・・.
      ジギングロッド選びもカナリ難しい問題ですよね〜.
      またよろしくお願いします!

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