2017年1月2日月曜日

ラインの太さはドラグ値でも決める!

今回はラインの太さの決定方法について書きたいと思います.




常日頃から,釣りが成立させられる限り太いラインを使う方が良い.
と言ってますが,その理由について明確には書いていなかったなと思い,明確化したいと思いました.

おわかりかと思いますが,単純に強いからです.
強いということはそれイコール高いドラグ値を掛けられるということです.
しかし,逆に言えば,低いドラグ値しか必要としないのであれば,太いラインは宝の持ち腐れとなります.

では?具体的にどれ位のドラグ値を必要とするならば,どれぐらいの号数のラインを使えば良いのでしょうか?

ラインには理想的な強度があります.
PEラインの場合,その強度はポンド表記されていることが多いですが,その強さはMAXの強度を示していることが多いです.(一応,製品によって異なります.
不思議なもので,最低の強度を保証しているラインというのはかなり少ないのが現状です.
DUELなどはMAXの強度と平均の強度AVEを表示していたりします.

例えばXワイヤーを例に取ると,以下のような感じです.
http://www.duel.co.jp/products/x_wire8

1.0号:20Lbs,MAX9kg,AVE7.5kg
1.5号:30Lbs,MAX13.5kg,AVE10kg
2.0号:35Lbs,MAX16kg,AVE13.5kg
3.0号:50Lbs,MAX23kg,AVE20kg
4.0号:60Lbs,MAX27kg,AVE26kg

といった具体です.もちろんこれは製品によっても異なってきます.

概ねですが,AVEはMAXの5%減〜15%減には収まるようになっています.
このAVEの算出方法についてDUELに問い合わせたことがありますが,明確な回答は得られませんでした.

最低の値,いわゆるミニマムという値はまず出せないとのことでした.
安全率を的確に設定するためにミニマムの値を推定する必要がありますが,ここではかなり簡便にMAXとAVEがあるのだから,負の方向にも同じだけの分布があると仮定すると.(あくまで仮定です!!!)MINはおおよそMAX値の70%〜90%であると推定できます.

さらにこれが経年劣化によって劣化していきますし,ドラグ値も静的な場合と動的な場合,糸の出る加速度,スピードによって定常値が異なりますから,かなり一般的に言って,滑り出しのドラグ値というものはライン強度の1/3程度までに設定されます.
自信があれば強度の1/2までは許容範囲と思います.

従って,かなり安全マージンを取ろうと思えば,表記MAX値の0.7倍に0.3倍をかけた値,つまり,表記の0.21倍以内に抑えたほうが良いということになり,安全マージンを少なく取ろうとすると,表記強度の0.7×0.5=0.35倍ぐらいまでは可能ということになります.

私が最近溺愛しているPEジガーULTの4本組ですと,表記のMAXの強度が
1.5号で11kg
2号で15.5kg
2.5号で18.5kg
3号で22.0kg
4号で29.0kg

となり,
それぞれ,0.21倍,0.35倍の値を考えてみると,
1.5号で2.3kg,3.85kg
2号で3.3kg,5.4kg
2.5号で3.9kg,6.5kg
3号で4.6kg,7.7kg
4号で6.0kg,10.1kg

となります.
あくまでこれは安全マージンをとった値なので,まだ締めても理論的には切れることはありませんがご参考になればと思います.強度が10kgあるからドラグが10kgかけられるわけではないということを理解いただければと思います.
また,細いラインほど劣化が早いように思いますので,そのあたりも考慮したほうがよいとはおもいます.

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しかし,逆に言えば,このドラグ値未満にしか使わないのに太糸を積極的に選択するメリットはありません.
よく,●●号で切られた!とだけ書いてあったりしますが,実際,その時,どれぐらいのドラグ値をかけていたかを書かなければ,まったく意味のない情報であるように私は思います.なので,なるべくドラグ値を釣行記事では書くように努めています.
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私が基本的に3号をメインとしているのはだいたいドラグ値として7kg前後を多用しているためです.10kgドラグを必要とするのであれば4号以上を選択したほうが無難かとおもいます.3号でも10kg程度まで(MAX値のおおよそ半分)のドラグ値であればドラグ性能にも寄りますが,なんとか設定できるものの,若干の不安が私にはあります.

また,リールから糸が放出され,径が小さくなっている場合,ドラグを滑らせるのはドラグにかかるモーメントで考えるので,径が小さくなった分,強い力でなければドラグは滑り出しません.例えば,ラインがパンパンの状態でドラグの滑り出しを10kgに設定していたとします,深場で釣りをしていたり,キャストしたりして,ラインが放出され,径が細って半分になってしまったとします.この場合,単純に考えて,ドラグの滑り出しに必要な力は径が半分になったので,2倍の20kg必要となります.こういうこともあるので,私はドラグ値を7kg前後にしています.径が細った状態ではドラグ値は10kgを超えることもあります.

他にドラグ値を決める場合に,ドラグがかけられないような状況もあります.
例えばカヤックフィッシングではどうか?
正直,カヤックではドラグ値4kg以上を使う気になれません.
というのもちょっと危ないな・・・と感じるためです.7kgぐらいまでは試しましたが,力のかかり方によってはちょっと怖いです.
4kgの力ならば,力の加わる方向が多少危険でも転覆することはありませんが,これがさらに10kg,20kgとなった場合に転覆しないかは正直わかりません.また.根掛かりをした場合のカットもかなり難しいと考えます.
また,横方向に走るような魚であれば,カヤック自体が動いてクッションとなるため,ドラグ自体が意味が無くなることも考えられます.
ということで,私はいまのところ,カヤックで2号以上を使うメリットは無いと考えています,リーダーを傷つけるような魚の場合は,リーダーのみ極端に太くすれば解決できると思います.

さらに,リールには構造上かけられるドラグ値のMAXがあります.
例えばオシアジガーですと2000番で10kgまでです.1500番,1000番は7kgまで.
私はドラグ値×2倍以上の強度があるラインは巻く意味が殆どないと思っています.巻いてもドラグ性能をフルに活かしたとしても,ラインの最大性能を引き出せないからです.
ハンドドラグをしてドラグ値を稼ぐことはできますので,ハンドドラグを駆使したファイトをされる方はさらにある程度強いラインまで巻く意味はあると思いますが,私は基本的にはハンドドラグをしません.
ハンドドラグをしてしまったがために許容値を超えてしまい,切られる.というのも何度も目にしているで,出来る限り,ドラグに頼ってファイトをしたいと考えています.

考え方は人それぞれで良いと思いますが,自分の使っているドラグ値を見直してみて,使うラインの号数を考えてもらう機会になればと思い,記事を書きました.

太いラインは丈夫だから!と思っている方もいらっしゃると思いますが,擦り傷が入った瞬間にPEラインは強度がかなり定価するので,これはあまりあてにならないと思っています.このあたりのデータは追々示していけたらと思います.

でわ.


















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